妊活中から赤ちゃんのために大切な葉酸。妊活中に摂るべき葉酸の推奨摂取量を解説します。

葉酸はほうれん草の抽出物から見出された水溶性のビタミンB群の一種で、妊娠の初期段階における胎児の神経管閉鎖障害(※1)の予防に繋がる事から妊娠前(妊活中)から葉酸の摂取が推奨されています。

※1神経管閉鎖障害は、無脳症や二分脊椎症のような胎児の奇形や先天的な身体の異常につながるとされており、葉酸不足によって起こる可能性が高まります。100%防ぐことはできませんが、葉酸を積極的に摂取することでリスクを低減できるといわれています。

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、女性の葉酸推奨摂取量は成人で1日240μg(マイクログラム)、妊婦は480μg、授乳婦は340μgとなっています。

そして、妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性のある女性は、神経管閉鎖障害のリスク低減のために、240μgに付加的に400μgのモノグルタミン酸の葉酸が望まれるとしています。

つまり、妊活中の方は通常の2倍以上の葉酸を摂る必要性があるという事を示しています。

厚生労働省が妊活中の方に推奨しているモノグルタミン酸の葉酸について、次で説明します。

葉酸には食品に含まれている天然葉酸「ポリグルタミン酸」と、サプリメントに含まれている「モノグルタミン酸」の2種類があります。

葉酸は葉物をはじめとする緑黄色野菜、豆類、レバーなどに多く含まれている栄養素で、このような食品から摂れる天然葉酸を「ポリグルタミン酸型葉酸」といいます。そして、この葉酸を効率よく摂取できるように人工的に作った合成葉酸が「モノグルタミン酸型葉酸」になります。

食品から全てを補えるのが理想ではありますが、ポリグルタミン酸型の葉酸は熱に弱く水に溶けやすいため、調理で約半分近くの葉酸が流れてしまいます。食事だけで葉酸の推奨量を補うのは難しい点から、厚生労働省も食事による葉酸摂取に加えて、特に葉酸が必要な妊活中の方にはサプリメントや強化食品に含まれるモノグルタミン酸型葉酸を推奨しているのです。

葉酸サプリでも、合成葉酸のモノグルタミン酸型葉酸に限らず、天然葉酸(オーガニックレモン由来など)を原料としたもの、両方が配合されたものなど様々な葉酸サプリがあります。

食事からの葉酸摂取が不足になりやすい点も考えると、妊娠を希望されている妊活中の方は、天然葉酸とモノグルタミン酸型の両方が含まれているものが理想といえるかもしれません。

天然葉酸の上限摂取量はありません。葉酸は過剰摂取よりも不足が問題!

厚生労働省が発表している葉酸の上限摂取量はサプリメントや強化食品に含まれるモノグルタミン酸型葉酸のみで、その上限は30代~60代の女性で1,000μg/日です。食事から摂った葉酸においては摂取上限は定められていません。

1,000μgといっても馴染みのない単位で分かりづらいですが[1,000μg=1mg]となり、葉酸の摂取量は微量である事が分かります。

また、葉酸は水溶性ビタミンのため、必要量以上を摂取したとしても尿中へ排出され、摂取量を守ればサプリから摂るモノグルタミン酸型葉酸のみで1日に1,000μgを超えるという事も考えにくい栄養素です。

それよりも葉酸不足によるリスクを考えて、妊娠を希望されている妊活中の女性はしっかりと推奨摂取量を摂る事を心がけましょう。

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