愛する人と結婚したら、次は子供がほしいと思うのは当然のことでしょう。しかし、いざ子供を作ろうと思っても、なかなかうまくいかないことも…。
自分や相手の年齢、親のことを考えて「できるだけ早く子供を授かりたい」と気持ちが焦ってしまうまえに、「妊活」について考えてみましょう!
そもそも妊活とは、「妊娠をするために前向きに活動をすること」をいいます。将来、自然に妊娠しやすくするために、妊娠に向けた体づくりをすることや生活スタイルを改めることであって、今すぐに妊娠を希望していない場合でも、近い将来、子供がほしいという人にはとても重要なことなのです。
妊活っていったい何をすればいいの?
そうはいっても、実際に何をすればいいのかわかりませんよね。まずは、「今の自分の体を知る」こと、そして「妊娠についての正しい知識」を身に付けましょう。
医療技術の進歩によって、不妊治療や高齢出産も可能となっていますが、これらにはやはりリスクが伴います。母体への影響や金銭面での負担も大きいですよね。晩婚化が進んでいることもあって、妊活を始めるタイミングに悩む人も少なくないはずです。
妊活を始めるタイミングですが、将来的に妊娠をしたいと考えているのであれば、すぐにでもスタートするべきでしょう。出産を望むのであれば、1日も早く妊娠しやすい体づくりを始める必要があるからです。
自分の体を知ることから始めよう
まずは手軽に自分の体を知ることから始めてみましょう。女性の体は妊娠に向けておよそ28日周期で変化していきます。この変化のリズムを知ることが妊娠への第一歩となります。
具体的には、「基礎体温表」をつけるようにしましょう。基礎体温とは、安静時に近い状態の体温のことで、毎朝、目覚めてすぐ、寝たままの状態で測ります。これをグラフにしたものが基礎体温表です。
女性の基礎体温は、「低温期と高温期」に分けることができます。この2つのパターンを知れば、妊娠しやすい時期を把握し、妊娠の可能性や無排卵、体調不良など、体の変化にも気付きやすくなるのです。
理想的な基礎体温は、生理が始まる月経期から「低温期」が始まり、排卵を境に「高温期」へと移行していきます。
精子の寿命は2日~数日といわれているのに対し、卵子の寿命は12~36時間と非常に短くなっています。妊娠するには、卵巣から排出される卵子を精子が待ち受けている状態が理想のため、排卵日の前日・前々日が一番妊娠しやすいという研究結果もあります。
基本的なことを押さえたら、産婦人科を受診しよう
基礎体温表の一定のリズムが把握できたところで、産婦人科を受診してみましょう。ブライダルチェックなどを行っている産婦人科では、妊娠に関する検査を一通り受けることができます。ブライダルチェックの検査項目としては、一般的に以下のようなものが挙げられます。
- 血液検査(貧血)
- 内診(超音波による子宮と卵巣のチェック)
- 子宮がん・子宮頸がん検査
- HIV・性感染症検査
- 胸部レントゲン(乳がん検査)
- 風疹抗体検査
このうち、風疹についてはあまり知られていませんが、妊娠初期にかかってしまうと胎児の聴力などに影響してしまうことがあります。そのため、風疹の抗体を検査し、抗体がなかった場合には風疹の予防接種(風疹と麻疹の混合ワクチン)をすすめられます。なお、この予防接種を受ける場合、接種前の約1ヵ月間は避妊が必要で、接種後の約2ヵ月間も妊娠しないようにすることが大切です。早期の妊娠を考えているときは、なるべく早く予防接種を受けておきましょう。
このほかに、卵子年齢などをチェックできるところもあります。費用は自費診療となるため、病院によって差がありますが、およそ20,000~40,000円が相場です。
妊娠しやすい体とは?控えたほうが良い行動と併せて覚えよう
妊娠しやすい体とはどのようなものでしょうか。
まず大切なのが、「排卵のタイミングが定期的である」ことです。排卵が定期的に行われず不定期にやって来るのでは、妊娠しやすい時期を把握することができません。そして、いざ卵子が受精した場合に、子宮内が「着床しやすい環境になっている」ことも重要なポイントです。子宮内膜が柔らかくないと、受精卵はうまく着床できません。
このような体の変化には、生理周期に合わせてホルモン分泌量を調整する必要があります。ホルモンバランスを整えるには、日常生活を改善して以下のポイントに注意しましょう。
- ストレスを溜めない
- 十分な睡眠で疲労回復を図る
- 喫煙をしない
- お酒を控える
- 体を温める(冷やさない)
- 適度な運動を行う
- 栄養バランスの取れた食事をする
ストレスは、適度な運動や質の良い睡眠でも解消することができます。タバコは体内のビタミンを破壊してしまったり、血管を収縮させて血の巡りを悪くしたりします。また、体を温めるにはショウガなどの食材を使用すると効果があります。このように、上記のポイントはすべてがお互いに関係しているともいえます。日々の生活習慣を見直していくことは、妊娠力の向上につながると覚えておきましょう。
不妊治療に踏み切るタイミングはいつ?
いざ妊活を開始してみて、それでもうまく妊娠できない場合には「不妊治療」へとシフトしていく必要があります。一般的に20代女性の場合、1年以上妊娠できなければ不妊の診察を受けたほうがいいといわれています。
不妊治療の進め方としては、まずは不妊専門の医療機関を探して「カウンセリングを受ける」ことが第一ステップとなります。長い付き合いになることもありますので、悩みや不安を親身になって聞いてくれる医師を探すのもいいでしょう。
基本的に不妊治療は、夫婦・カップルの2人いっしょに受けます。病院を変えると検査が一からやり直しになってしまうこともありますので、途中で病院を変えることがないよう、しっかり病院を選びましょう。
不妊治療の種類は段階によって変わる
不妊治療にはさまざまな方法がありますので、代表的なものを説明します。
タイミング法
一般的に最初に用いられる方法で、粘液の状態や卵胞の大きさなどから排卵日を正確に把握し、その前日や前々日、当日に性行為を行うことで自然妊娠を目指す方法です。排卵がない場合や排卵の状態が良くない場合には、排卵誘発剤を使用することもあります。
人工授精
人の手を介して、男性の精液を女性の子宮内へ注入する方法です。精子に不妊の原因があると考えられる場合などに行われることが多くなります。
体外受精
体の外で精子と卵子を受精させ、子宮内へ受精卵を戻す方法です。一般的には精子の力に頼って受精させますが、ガラス管などで精子を卵子に注入させて受精させる「顕微授精」という方法を用いる場合もあります。
妊活は既婚者だけの問題じゃない
自分の体を知り妊娠力を高めることは、独身女性であっても大切なことです。もし、排卵がスムーズに行われていない場合には、結婚前から妊活を進めることで、将来「妊娠したい」と思ったときの負担がまったく違ってきます。病院へ行かなくてもできることはたくさんありますので、少しずつ、毎日の生活を変えていく努力をしましょう。