あなたは、自分の体のことを理解している自信がありますか?
「自分の体のことは自分が1番よく知っている」と思っている方は少なくないと思いますが、おそらくそれは感覚的なものでしょう。皮膚の下がどうなっているのか、各パーツがどのような成分で構成されているか…。そこまで具体的に知っている方はあまりいないのではないでしょうか。
ここでは、女性の体のしくみや特徴について、いくつかのパーツをピックアップして詳しくご紹介します。この機会に、自分の体について理解を深めてみませんか?
「女の命」ともいわれる【髪】
艶やかで美しい髪は、女性を美しく見せてくれるものです。逆に、輝きのないパサついた髪は、どんなに整った顔立ちの方でもどこか老けた印象を与えてしまうでしょう。そんな「女の命」ともいわれる髪は、大部分がタンパク質でできています。
<髪の構成>
- タンパク質 80〜85%(このうち、8〜9割程度が「ケラチン」)
- 水分 11〜13%
- 脂質 1〜6%
- メラニン 4.5%
私たちの髪は、表面を覆う「キューティクル」、キューティクルに包まれた主成分「コルテックス」、コルテックスの中央にある「メデュラ」から成り立っていますが、タンパク質はそのすべてにおいて主成分となっています。
つまり、タンパク質の摂取量が不足すると、枝毛や切れ毛が増え、薄毛を招くなど、髪はボロボロになっていくのです。
特にダイエット中は、タンパク質が不足しがちです。きれいにやせたいのなら、鶏のささみやツナなど、低カロリー高タンパクな食材を積極的に食べることをおすすめします。
若見え&美人見えのポイント【肌(顔)】
肌が美しいと、周りの人に健康的で清潔感のある印象を与えられます。さらに、自然にメイクもナチュラルになり、老若男女を問わず好感を持たれる女性になれるでしょう。
そんな女性にとって重要なパーツである肌は、実は複数の層が重なって構成されています。名前のとおり皮膚の表面にある「表皮」と、表皮の下にある「真皮」に分けて、それぞれの構造を細かく見ていきましょう。
表皮は、上から角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4層で構成されており、各層の細胞は常に成長しています。最下部にある基底層の細胞が角層に向かって徐々に移動し、最後は古い角質となってはがれ落ちるのです。これが、よく耳にする「肌のターンオーバー(新陳代謝)」というサイクルです。
生活リズムの乱れや誤ったスキンケアなどでターンオーバーが乱れると、ニキビや肌のゴワつきといった肌トラブルを引き起こします。
表皮の下にある真皮は、上から乳頭層と網状層の2層で構成されています(2層のあいだにある乳頭下層を分けて3層と考えることもできますが、構造は乳頭層とよく似ているので、ここでは2層としています)。
乳頭層は表皮の最下層である基底層とつながっており、栄養を与えたり、逆に老廃物を受け取ったりする役割を担っています。その奥にある網状層には、「線維芽細胞」という細胞があります。これが、肌にハリや弾力をもたらすコラーゲンやエラスチンを生成するのです。
このように、真皮は肌づくりにおいて非常に重要な役目を果たしています。つまり、美肌を作るには、真皮にもアプローチすることが必要です。
基礎化粧品で手軽にケアできる表皮とは違い、真皮に働きかけるには内側からのケアが求められます。美肌を目指すのであれば、化粧品ばかりに目を向けるのではなく、食事や睡眠などの生活習慣も改善していきましょう。
女性らしさを強くアピールする【乳房】
乳房は女性らしさを象徴する代表的なパーツのひとつで、赤ちゃんに母乳を与える役割も果たす大切な器官です。その乳房は、以下のような構造になっています。
中でもよく知っておきたいのが、乳房を触ったときにコリコリとする部分にある「乳腺」という組織でしょう。乳腺は母乳を作り、体外へ分泌する機能を持っています。つまり、子供を産み育てる女性にとってとても大切な組織です。
しかし一方で、乳腺はさまざまな病気の原因になる組織でもあるのです。乳腺に関する病気は、認知度の高い乳がんのほかに、乳腺症、乳腺嚢腫、乳腺炎なども挙げられます。
これらの病気に共通するのは、しこりができるということです。このしこりは、体を洗うときや下着を着けるときなどに発見されるケースが多くなっています。普段から自分の体に気を配り、変化に敏感であることが重要であるといえるでしょう。もちろん、病院での定期検診も必須です。
女子力や健康状態がはっきりと表れる【爪】
目につきやすいメイクやファッションに気を配っていても、爪のケアはおろそかになっているという方も少なくないはずです。でも、隅々までケアの手を抜かない「女子力の高さ」が表れるパーツが爪であることもご存じですよね。
そんな爪から判断できるのは、女子力だけではありません。実は、健康状態もチェックすることができるのです。ここで注目すべきは爪の色。爪の色を見ることで、体にどんな異常が起きているかを推測することができるのです。
爪の状態で推測できる病気
- 爪の色 疑われる病気
- 白濁・・・内臓疾患(肝硬変、腎不全、糖尿病)
- 青白い・・・貧血
- 黄白色・・・リンパや内臓の異常、新陳代謝の低下、爪甲剥離症(爪がはがれた状態)
- 緑・・・緑膿菌感染
- 青紫・・・肺疾患、貧血、心疾患
- 茶・・・多血症、発熱性肉芽腫、爪下出血
- 黒・・・副腎低形成、悪性腫瘍、爪下出血、薬剤・金属・メラニン色素の影響
健康な爪は薄いピンク色です。上の表のように変色していたら、体の異常を疑ってみてください。
なお、爪は髪と同じく「ケラチン(タンパク質)」がおもな構成成分です。滑らかで健康的な爪を育てるには、タンパク質を十分に摂取するよう心掛けましょう。
体重や体脂肪率、血圧、コレステロール値などの情報から、体全体の状態を把握することはもちろん大切です。しかし、各パーツの役割や構造を理解し、細やかなチェックとケアをしてあげることも同じくらい欠かせません。ここで学んだ知識を、ぜひ「健やかで美しい体づくり」に活かしてくださいね。